宇宙がみんなの夢だった頃、スター・トレックは始まった。Star Trek™生誕40周年

イントロダクション

人類と異星人の共存、宇宙平和を理想とした未来社会

「スター・トレック」で描かれる未来には独自の理念があります。それは原作者ジーン・ロッデンベリーが思い描いた理想です。近未来、人類は、人種、宗教、イデオロギーの対立を乗り越えた統一政府を設立。異星人と共存する惑星連邦という枠組みを創り上げ、明るく理想的な未来社会を築いています。

 そうした設定が生まれた背景には、シリーズが始まった1960年代の社会不安がありました。当時、米国社会は人種差別や、核戦争の脅威といった不安が問題になっていました。ジーン・ロッデンベリーは、TV作品を通して、そうした問題点を描き、問題提起を行おうと考えました。ただし、直接的な表現は、TV局やスポンサーの承認を得られない可能性があったため、SFというオブラートに包むことを考えたのです。人種差別は異星人問題として、政治のイデオロギーは惑星同士の星間問題として描く手法ならば、クレームは出ないと確信したのです。そうして生まれたのが、国や人種の別なく人類が一致団結し、異星人と平和的に共存して宇宙探査を行うという「スター・トレック」の世界だったのです。