それぞれの番組はとても違うんだ。ただ、それはジャンルの違いというよりも、ストーリー展開の違いが大きい。映画は、嬉しいことにいまだに監督の力が大きいけど、テレビはプロデューサーの好みというか力の方が監督のそれより大きいんだ。だから、テレビの監督をする場合、プロデューサーの持っているヴィジョンみたいなものを反映していく必要がある。番組の持っているノリみたいなものを理解し、プロデューサーがどんなものを欲しているかを察知して、そのエピソードを監督するんだ。監督ごとに特徴を強烈に出しすぎてはダメなんだよ。すべてのエピソードを通して、その番組のノリやテイストが同じでないとダメだからね。そして、出演者一人一人の特徴をつかんだら、それを生かした場を持たせてあげる必要がある。例えば、『チャームド~魔女三姉妹』は、強烈なキャラを持つ3人の女性が主人公だから、彼女たちをどう生かすかが監督に与えられる課題なんだ。そう、女がどう考えるかを知る必要があるんだよ!
それから、監督という仕事は、映像化に関してリーダーシップを持つけど、みんなとうまく共同作業をしていける人間じゃないとダメ。セラピーもできる、いわゆる精神科医的な役割や、兄や父親的な役割ができないとダメなんだ。なぜなら、監督の仕事の大部分は、みんなが快適な気持ちで仕事ができるような環境を作ることだからね。例えば、朝、家を出る前にとても嫌なことがあったキャストやスタッフには、楽しい気分に気持ちが切り替えられるような対応をして、楽しく仕事ができるようにしてあげるんだ。長年、ずっと同じ番組に出演している俳優は、プロ意識を失ってもOKだと思ってしまう瞬間がどうしても生じてしまう。でも、それによって現場に不穏な空気が漂ったりすることがある。そうしたトラブルをうまく処理するのが監督の仕事の大きな部分を占めるんだよ。