一番気に入っているエピソードは、やっぱり『新スター・トレック』の「もう一人のウィリアム・ライカー」だよ。なぜなら、私の初めての監督作で、ものすごいプレッシャーと戦った作品だったからね。実は、エピソードのタイトルはすぐに忘れてしまうんだ。なぜなら、スター・トレックのいろんなシリーズにずっとかかわり続けてきたから、自分に関係ない脚本も読んできてて、すべてがもうごっちゃになってるんだ。
それから、脚本をいろいろ読むことで、俳優をやっている友人にピッタリのキャラを見つけては、彼らを起用してきたから、そうしたエピソードも思い出深いね。『スター・トレック ディープ・スペース・ナイン』で、友人の一人クラレンス・ウィリアムス(Clarence Williams)をエイリアン役に起用したし、『スター・トレック エンタープライズ』では、演劇学校の学生だったころの恩師メアリー・カーヴァー(Mary Carver)を起用するチャンスに恵まれた。
そうそう、「もう一人のウィリアム・ライカー」では、1979年にスペースシャトルで宇宙を旅した史上初の黒人メイ・ジェンソンにも出演してもらった。実はメイは、私と同じく、オリジナルの『宇宙大作戦』の大ファンで、ニシェル・ニコルスが演じた黒人女性キャラに触発されて、黒人初の宇宙飛行士の夢をかなえたんだ。そんな彼女に、私はぜひ出演してほしくて、「もう一人のウィリアム・ライカー」の中の小さな役、転送主任(Transporter Chief)の役をお願いしたんだ。そして、ニシェルにもメイの出演シーンの撮影当日にスタジオに来てもらった。そうして、二人を引き合わせたんだ。それはとても素晴らしい経験だったよ。