「もう一人のウィリアム・ライカー」は、ライカーが二人登場する話だったね。いきなり特殊視覚効果を使う演出だったから、ものすごく大変だったよ。撮影にかかった3週間は、ほとんど寝ることができなかったけど、とても楽しくて、終わった後、もっと監督をしたいって強烈に思った。
でも、本当にこの「もう一人のウィリアム・ライカー」には悩まされたよ。ライカーを演じる俳優は一人しかいないから、さまざまなトリックを考えて、本当にライカーが二人いるように見せなければいけなかったうえに、それが面白いものではないとダメだったからね。ライカーが、吹き終わったトロンボーンを床に置いて去ると、二人目のライカーがやってきてそれを吹くというネタや、ポーカーをしようとしてテーブルに付くライカーのイスを別のライカーが引いてあげるシーンとかがそうだよ。特殊視覚効果をどう入れるかを頭にいれながら演出・撮影していかなきゃいけなかったから、とても大変だった。どこまで代役を使い、体のどの部分までをカメラに収めるかを計算して撮影しないと、後でうまくつながらないからね。