こんにちは。
今回はまた今野敏さんの本で宗棍の感想・レビューを書いていきます。
いきなり結論で申し訳ないですが、今作の感想として下記5点があります。
- 照屋筑登之親雲上寛賀
- チル-
- 琉球国王
- 伊集院弥七郎
- 永山筑登之親雲上
この度は5点全てに登場人物の名前を上げましたが、主人公の宗棍は彼らとの出逢いによって大きく人生が変わったと感じられましたので敢えて名前をあげました。
照屋筑登之親雲上
この本を読んで主人公の宗棍が、いかにして武士として名を遺したのか非常に解りやすく書かれており面白いと感じました。
物語ですが、時代背景や育ちなど今の時代では見られなくなった家庭での親に対する尊敬や躾や姿勢、学ぶ心、無形の伝統文化を継承していく覚悟といったところに重要性を感じました。
が、一方でそれ以上に好きな事を追求する探求心も熱くなるものがありました。
まずこの本の最初に照屋筑登之親雲上寛賀との出逢いが主人公の想いを大きく影響させ師匠を持つ事の大切さを感じさせられるであろうと、守破離の教えを描いた部分に感銘を受けました。
チル-
最初に大切な師匠との出逢いがありますが、それ以上に大切な人生の配慮となる妻となる女性との出逢いがあったことにより主人公の人生は目まぐるしく変化していくところも面白く描かれています。
主人公の宗棍は本書の中でチル-という女性に出逢います。
詳しくは読んでいただければ分かりますが、もしかしたら生涯の配慮は人生で1人だけだったのかと思わせる内容です。
琉球王国の時代の琉球空手の礎を築いた主人公の半生を描いた長編ですが、本物の武術空手を知りたい方や興味がある方には非常にオススメです。
この本を読んだ方には今野敏さんの小説、【義珍の拳】も読まれると歴史が色々と繋がってきます。
琉球国王
主人公の宗棍は師に出逢い、美人な女性を妻として人生が動いていきますが1番人生に大きな影響を与えたのは琉球国王との出逢いではないかと私は思います。
琉球国王との出逢いによって、宗棍は国王の武術指南役を務めたことにより若くして大出世して人生が激変したように思います。
武士の活躍した時代でも、やはり仕事も重要で育ちや家柄や環境もある中で宗棍は武の才能だけでなく人徳や礼節など出世する器を持ち合わせていたのではないかと感じました。
今の政治家には、そんな器のある武士道精神がある人物など居ないと思いますが昔の武士がいた時代は王家に仕える者など人間的に尊敬される人物がしっかりと存在していた気がしますね。
今の日本に日本人としての誇りを取り戻すべく、この本は多くの人に読んで欲しい1冊でもあります。
なお、宗棍がなぜ出世したのかは当然読んでいただけると面白い様に分かります。
伊集院弥七郎
宗棍は本書の中で、剣の修行もします。
その示現流の剣術+琉球空手が主人公が遺した歴史ですが、琉球空手は色々とミックスされていると思います。
詳しくは本書で書かれていますが宗棍は型は照屋筑登之親雲上でなく屋比久の主と言われる師から学んでいます。
私は本物の武術空手を学んでいますが、言葉は悪いですが空手には本物か偽物しかありません。
本物とは、この本で書かれているように沖縄の琉球王国時代から今に伝わり形骸化されてない型が継承されている流派に限られます。
私が知る上では、型はサンチン・ナイファンチン・ク-サンク-・パッサイ・セーサンの5つの型ですが、本書でもこの型の名前は出てきます。
現代で古伝の型が多く遺されている流派はありますが、名前が同じでも全く違う型も存在しますから空手を学ぶ側が選択を誤らない事が重要だと思いますね。
ゆえに、この本は本物を追求している方にオススメの1冊です。
永山筑登之親雲上
私は仕事において気に入らない人間がいますが、この本の中に登場する永山筑登之親雲上と少し重なります。
しかしながら、宗棍は他を尊敬し謙虚な姿勢で彼と対峙していたのが流石だと感じました。
私も、この本の宗棍を見習って変わったという訳ではありませんが宗棍同様に師の存在があって変わったのが事実です。
今では、気に入らない人間を部下として仕事をしているので何も気にならなくなりました。
自らの出世のヒントになることも感じられるので、仕事に悩む方にも良い本ですね。
まとめ
先にも述べました【義珍の拳】と同じく、今野敏さんの本の中でも非常に事実に近い小説で永久保存版としてオススメします。
400ペ-ジくらいあり長編ですが、読んでいくと引き込まれるように面白く、次はどうなるのか?
といった気持になり、アッっという間に読んでしまいます。
最後に5点の感想を繰り返し紹介します。
- 照屋筑登之親雲上寛賀
- チル-
- 琉球国王
- 伊集院弥七郎
- 永山筑登之親雲上
中でも私は琉球国王との出逢いが、宗棍の人生を大きく左右したのではないかと印象に残りました。
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